竹林院群芳園 レビュー
【得られた体験・発見】
きっかけは、一度は見ておきたかった「吉野の桜」と、歴史ある名旅館「竹林院」に滞在できるという、少し欲張りで不純な動機です。
実際に足を踏み入れた吉野は、街全体が歴史の息遣いを感じさせる圧倒的な場所。そのうえ、江戸時代の建物の中で過ごした時間は、観光だけでは得られない、世界の見え方が変わる体験でした。おだやかな女将さん、やさしい従業員の方々、好奇心旺盛なお客さま、プロ意識の高いおてつたび仲間との交流は、私の一生の宝物となりました。
一方で、華やかな桜の裏側にある「観光地の繁忙期」のリアルも体感。体力づくりと英語のブラッシュアップが私の今後の課題です。
【地域や現場の人との関わりで心に残ったこと】
現場では、年長の現役仲居さんをはじめ、ベテランの方々が元気に立ち働く姿に圧倒というよりも、感動しました。自分の後半生に悩んでいたこともあり、闊達に現場を回すお姉さまたちが頼もしく、輝いていて、カッコいい。関西弁の会話も心地よく、元々が関西にゆかりのある私は夢見心地になっていました。
伝統を守る覚悟を秘めた地域の方や宿の皆さんと関わる中で、マニュアルではない「おもてなしの心」に触れることができました。また、おてつ仲間たちとは現場の苦労を分かち合う中で、短い期間ながらも信頼関係を築けたことは、働く喜びを再認識できました。
【実際のお手伝い内容】
私の仕事は仲居さんの配膳お手伝い8割、下足番やお庭・廊下・図書室のお掃除、売店の在庫整理と陳列2割というバランスでした。
仲居さんの仕事は、朝昼晩のシフト制。体力があれば全シフトを手伝うことも可能ですが、立ち仕事なので慣れていないとキツく感じます。
幸い、女将さんに相談しながら時間の調整ができたので「今日は蔵王堂に行きたい」「奥千本に行きたい」と話して、朝6:30〜9:30、晩16:00〜21:00のシフトに入り、中休みをもらうこともできました。お寺や桜やカフェ巡りも楽しめて、おてつたび仲間に教えてもらった、つくりたての葛もちのカフェの味は忘れられません!
売店の陳列も手伝ったことで、日々、売れ行きを見ながら「この並べ方の方が売れるかも」など、勝手にマーケティングを試行することも楽しみでした。
【次の参加者へのアドバイス】
実体験から3つのアドバイスです
1. 目的意識を持つ: 「旅を楽しみたい」のか「しっかり稼ぎたい」のか。自分のスタンスと体調を天秤にかけ、無理のない範囲を自覚して臨むことが完走のコツです
2. 自分を守る備え: 共同生活とハードワークを乗り切るため、「耳栓・アイマスク」での睡眠確保、「ビタミン剤・フルーツ・ふりかけ・お気に入りのお菓子」での栄養と心の癒し、「クッション性のあるダークカラーのサンダル」で体力維持が必須です。また、宿までの道中にある坂道や階段は、キャリーバッグでの移動には事前の確認が欠かせません
3. リセットのすすめ: 期間終了後に一泊、自分のための自由な時間(私は京都に寄りました)を設けると、経験がより良い思い出として定着します
【おてつたび先の方への感謝メッセージ】
竹林院の皆さま、素晴らしい桜の季節に仲間に入れていただき、本当にありがとうございました。
女将さんはじめ、皆さまが常に体調や食事を気にかけてくださったおかげで、無事に役目を終えることができました。特に、忙しい中でも温かく接してくださった現場のお姉さま方には感謝しかありません。温かい飲み物や気遣いは、私の心の栄養になりました。次は私が、不安を抱える誰かにつないでいきたいと思います。
吉野の風土と皆さまの優しさに触れ、ライターとしても一人の人間としても、多くのインスピレーションをいただきました。この春の経験を糧に、また新しい一歩を踏み出せそうです。本当にお世話になりました。
